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そういえば代行証、
返し忘れてたんだっけ。
死神の力を失くしてから
代行証の機能も停止したみたいで
視覚防壁も消えて、
虚の警報も鳴らなくなって
ただの板になっちまったから
鞄に入れてたこともわすれてた。
今となってはこいつが
俺が死神だった事を証明する、
手元に残った唯一の証拠だ。
ガラッ!
「あ、おい石田
どこ行くんだよ!!」
「すまない!
忘れ物したから取りに帰るよ!」
勢いよく教室の扉を開け、
急いで教室のを出ていったのは
石田だった。
あいつは忘れ物を取りに
帰ったんじゃねえ…
俺がやってた虚退治は今、
石田がやってる。
イモ山さん(車谷善之助)に
任しときゃ良さそうなモンだけど
あいつ想像以上に
頼りになんねえみたいだ。
俺は死神代行証をパタン、と
机の上におき、頬杖をつく。
「やり過ぎて尸魂界に
怒られなきゃいーけど…」
―――あれからルキアや恋次は
一度も空座町に来ていない。
いや、俺が来ていないと
思い込んでて、
本当は今もすぐそばに
いるかもしれねぇ。
今の俺に、あいつらの姿は
見えねぇから……。
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