新たなる幕開け

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その日に俺たちは 出逢ったんだ。 それは今でも思い出せば 鮮明に浮かび上がる。 出逢ったのは啓吾と 進路の話をしたその日の 帰り道だった。 いつものように 啓吾と水色と一緒に帰り、 ゲームセンターで寄り道を してその帰る途中、 夕焼けに染まる空座町の 住宅街を通った時だ。 「ど、泥棒!!」 その声と同時に、 全身黒ずくめにフードを 目深に被った男が、 啓吾にぶつかりながらも 盗んだ鞄を脇に抱えて 全力疾走して逃げていた。 「だれかその人を つかまえて下さい!」 少し遅れて走ってきたのは、 俺らと同じ学校の制服を着た 女子生徒だった。 ―――そういや最近ここら辺で 女子生徒を狙ったひったくりが 相次いでるっつってたな。 「水色、頼む」 俺は水色に鞄を投げ渡し、 逃げた男を追いかける。
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