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これが俺と彼女の
出逢いだった―――。
女を見て初めて胸が高鳴った。
風に靡く髪に、
思わず見入ってしまうような
優しいブラウンの瞳。
まるで心を癒す天使のようだと
らしくもねえことを思った。
名前も知らない女に
胸が高鳴るなんて、
おかしいとは思ってたんだけど
どうもその日から彼女の
あの笑顔を忘れることは
できなかった。
今まで経験したことのない
事だったけど
馬鹿親父や夏梨や遊子に
相談するほどの事でも
無かったから、
あんまり大して気には
しなかった。
あの日以来、
彼女の姿を見ていない。
―――“お礼はまた改めて!”
そう言い残したから
近いうちに俺のクラスに
足を運ぶんじゃねえかって、
期待…っつーか、
そう思ってたんだけど……。
かれこれあれから数週間―――。
最近噂も聞かねえし……
「ご……。
オイッ!一護!!
俺の話、聞いてる!?」
「―――!!!
……ん?あ、悪ィ。
聞いてなかった。」
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