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「おい、どうしたんだよ宮野。
ここに一体なにがあるってんだ」
「……一護君、
すぐにここから離れて。」
「は?何言ってんだテメェ」
「いいから早く……!!」
『久しぶりだな
莉穂』
「「―――!!!」」
宮野の声を遮って
声と同時に現れたのは、
夕焼けをバックにして
赤錆色の髪をした男だった。
肌は黒く、琥珀色の切り目をし、
鼻から下は黒い布で
覆い隠されている。
格好は黒い着物で、
所々に見たこともない
紋様が施され、
腰には一振りの刀が
差されている。
男は身の丈ほどある大剣の峰を
肩にトントンと叩きながら
俺たちに歩み寄る。
それを見た宮野は
虚ろな目を男に向けながら呟く。
「紅蓮……!
どうして…ここに!!」
「ああ?どうしてだぁ?
みりゃわかんだろ!
コイツを手に入れたのさ!」
そう言いながら見せつけたのは
腰に差してあった刀―――。
俺からみれば一見、
普通の剣にしか見えなかったが、
宮野は血の気が引いた表情を
している。
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