230人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前、まさか“天界”の
人たちを……!」
するとニヤリと不気味な
笑みを浮かべた。
久しぶりに感じた、
背筋が凍るようなこの感覚―――
こめかみから嫌な汗が
輪郭を伝ってポタリと
滴り落ちた。
「ああ…全員皆殺しに
してやったぜ」
「―――ッ!!」
「オレにとっちゃあ、
天界に伝わる“菊一文字”なんざ
なまくら刀と
変わりねえけどな!」
「きっ…貴様ぁああああ!!」
宮野は何かをゴクリと飲み、
身体はそのまま後ろへと
倒れていく。
俺は咄嗟に彼女を受け止めた。
ばさぁ…と風に煽られて
なびく黒い着物と、
白い羽織―――
俺は確かにその姿に
見覚えがあった。
何かを…そう。
義魂丸を飲んで肉体、いや
義骸が離れて本来の姿になる。
こいつは……
宮野は“死神”だったんだ!
「紅蓮、貴様ぁああああ!!」
宮野は鞘から斬魄刀を抜刀し、
紅蓮と呼んでいる男に
真っ正面から斬りかかる。
最初のコメントを投稿しよう!