新たなる幕開け

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勢いよく開けられた リビングの扉の向こうから 現れたのは、 父親の一心だ。 一心は一護に目掛けて 跳び蹴りを繰り出した。 が、一護はそれを 苦もなくヒョイッとかわす。 一心はそのまま壁に激突し、 「グボォッ!!」と濁った 声を上げた。 「ったく、毎朝毎朝……!」 心底面倒そうに呟く息子を見て、 一心はヨロヨロと立ち上がった。 「息子よ、腕を上げたな……! だがしかぁし! 受け止めもせずかわすとは 何事だ!? そんなことで男同士の スキンシップがはかれるか! さぁ、もう一度…… ゥギャンッ!!」 言い終えるより早く、 一心は一護に顔面を蹴られ、 リビングの床に沈む。 一護はその体をまたぎ越えて、 朝食に戻った。 「おにいちゃん、 おかわりは?」 「ああ、頼むよ」 一護は軽く冷めてしまった 味噌汁を遊子に渡す。 遊子はまだ湯気のたっている 鍋から温かい味噌汁を よそい、一護に渡す。
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