序章「天狗と鬼の狭間」

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「お~い、朝だぞ~!」 聞き慣れた声が聞こえた。 だがまだ眠いから布団にくるまり、外の音声をシャットアウトする。 「あ、さ、だ、ぞ~!」 まだ起こそうとしてくる。 しかし俺も布団から出る気は無い。 「ふ~ん……私にそういう態度をとって良いのかな~?」 知るか……。 そう思って布団を力強く掴む。 その時だった。 「えいっ!」 「うおわぁっ!?」 俺と布団は強風により共に空宙に浮いた。 何よりも風が体に吹き付け、寒い。 「あ、あやややややや、寒いから風だけは止めてくくくくれ!!」 「なんか私の口癖みたいになってるわよ? でも知らな~い、私を無視した罰よ。」 そう、こいつは風を操る程度の能力を持っている。 名前は『射命丸 文(シャメイマル アヤ)』、幼なじみだ。 「こっちは眠いんだよ!もう少しくらい寝かせぐぁああっ!」 必死に叫んでる途中で風を止められ、背中から落ちた。 強く背中を打ったせいでかなり痛い。 「い、いきなり落とすな!」 「何よ、寝かせろって言ったり、寝かせようとしたら文句言ったり。」 文は腰に手を当て、呆れたような目でこっちを見る。 「寝かせてくれるならもう少し優しくしてくれ!」 「これでも優しい方なのに。」 「嘘つけ!」
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