476人が本棚に入れています
本棚に追加
「お~い、朝だぞ~!」
聞き慣れた声が聞こえた。
だがまだ眠いから布団にくるまり、外の音声をシャットアウトする。
「あ、さ、だ、ぞ~!」
まだ起こそうとしてくる。
しかし俺も布団から出る気は無い。
「ふ~ん……私にそういう態度をとって良いのかな~?」
知るか……。
そう思って布団を力強く掴む。
その時だった。
「えいっ!」
「うおわぁっ!?」
俺と布団は強風により共に空宙に浮いた。
何よりも風が体に吹き付け、寒い。
「あ、あやややややや、寒いから風だけは止めてくくくくれ!!」
「なんか私の口癖みたいになってるわよ?
でも知らな~い、私を無視した罰よ。」
そう、こいつは風を操る程度の能力を持っている。
名前は『射命丸 文(シャメイマル アヤ)』、幼なじみだ。
「こっちは眠いんだよ!もう少しくらい寝かせぐぁああっ!」
必死に叫んでる途中で風を止められ、背中から落ちた。
強く背中を打ったせいでかなり痛い。
「い、いきなり落とすな!」
「何よ、寝かせろって言ったり、寝かせようとしたら文句言ったり。」
文は腰に手を当て、呆れたような目でこっちを見る。
「寝かせてくれるならもう少し優しくしてくれ!」
「これでも優しい方なのに。」
「嘘つけ!」
最初のコメントを投稿しよう!