ある晴れた昼下がり

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「さあ、願いを叶えてやろう」 ある晴れた日の、春らしくそよ風の吹く昼間に、そいつは、俺の目の前に突然現れ、そして突然言ってきた。 「ちょっと待て、何の冗談だ」 「冗談?まさか、私のことを信じてないのか?」 当たり前だ。 いきなり現れて願いを叶えてやる、なんて言う奴を、そう簡単に信じれるか。 「……もう一度聞くが、お前は何者だ?」 「だ・か・ら!神だとさっきから言っているだろいい加減信じろ!」 「だ・け・ど!どう見ても神には見えないっての!」 俺の目の前で神だとほざいている奴……。 そいつは黄色の通学帽をかぶり、ランドセルを背負った一人の小学生風少女だった。
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