ある晴れた昼下がり

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「甘い……甘いぞ小僧!!。誰が飛べないと言った?」 「……えっ?」 次の瞬間、ふっと少女の姿が見えなくなった。 「き、消えた!?」 「こっちだ。上を見ろ」 上を見るとスカートの中身……じゃなくてさっきの少女が宙に浮いていた。 「ひ、人が浮いてる!?」 「ふっふっふ……これで信じるか?」 不敵な笑みをしながら、少女は宙をくるくる回っている。 いやそんな事するとスカートが…… ついついそっちに目がいってしまう。 すると、少女はその視線に気づいたのか、急に顔が赤くなり、怒鳴った。 「ばっ、馬鹿者どこを見ている!!」 少女の叫びと共に、何か早くするどい物が迫ってくるのを感じた。それが蹴りだと気付くよりも早く、俺は腹に強烈な衝撃を感じた 「ぐわっ!!」 殺人的な威力の蹴りを喰らい、部屋の端まで吹っ飛び、見事壁を突き破って外に落ちた。 のんびりとした、太陽の優しい光を感じる。 二階の高さから落とされながらも、以外と冷静で、ただ一言、ちいさく呟いた。 「……マジかよ」
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