黒と三十路

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黒と三十路

とりあえず、と思って入った前の高校。 興味もなく執着もなく。 ただ同じ日々。つまらない日々の繰り返しだった生活。 そんな所に在学して1年が経とうとしていたある日のafternoon。 誰かと電話をしていた母が、いきなりあたしに顔を向けて言った。 「ねぇ、七瀬。編入料無料の高校があるみたいなんだけど……通ってみない?」 『行きます』 即答してしまったあたしはあれだ。 今なら断言できる。 あたしは、馬鹿だ。
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