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羅刹に誰かと問われたまま固まって動かなくなったシキ。 一方、指から血が出てることが気になる羅刹。 問うても答えが返ってこない事に苛立ち、羅刹は暇潰しに仕方なく指から出る血に触れ、ポタポタと溢れ出る血をぺろりと舐めた。 「…っ!?な、何すッ…は?」 シキが驚くのも無理はなかった。 元々シキの居るこの世界には魔法と言うものが存在していて魔法名を唱えなくても魔法は発動できるが、それでも誰がどんな凄い人物でも微量の魔力は感じられる様になっている。 だが、羅刹からは魔力をこれっぽっちも感じない上に魔法名を唱えなかった。 「傷、治しただけ」 「な、ぜ…魔力を感じない?」 「まりょく…?聞いたことがない」 シキはこの言葉にも驚きを隠せない様子だった。 「魔力を知らない?…魔法を使ってただろう」 「魔法?…オレが使ってるのは超能力だ」 「超能力…だと?」 「超能力の主な力の源はイメージと精神力。頭の中でイメージしてそれを精神力で具現化すればどんな事だって出来る。知らないのか?一般知識だぞ?」 羅刹は、スクッと立ち上がり床についた長い髪を右手でさらりと撫でると、どんどん短くなって行き色も白銀から黒へと変わっていた。 気がつけば、目の色もオッドアイから黒へと変わっていて、シキを見た。 「オレはどうして此処にいる?」 その目は悲しさ半分戸惑い半分が交じり合いとても弱々しい印象を与えた。 まるで、少しでも触れたら壊れてしまうような…―。 .
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