ハロゲン

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そして再び彼は本を開き、物語の世界へいってしまった。 俺は固体のように固まった。 うるさい?うるさい…なんだよ!俺はただ、 「…ヨウと話がしたかったんだけど。」 それだけなのに。 これが俺の精一杯。 ヨウは心得顔で俺を見つめ、「…善処します。」と言った。 なぁ、もしかしてお前…俺の気持ちに気づいてる? 「今度読書の邪魔したら、銀さんの所に行きますから。」 俺が問う前にピシャリとそう言われた。 心なしかヨウの薄紫色の肌は赤く染まっているように見えた。
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