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「ヨウ~なぁ、ヨウってば~。」
本に夢中なヨウに絡んでみるも、彼はファンタジーな世界に夢中。ちっとも俺を見ようとしない。
めげずに話しかけてみる。
「なぁ、ヨウ。黄野が三高行くらしいよ。なんでも赤星が目指すから行くんだとよ。」
「……………。」
「なんかいいよな。いつも一緒って。そりゃちょっと暑苦しいって感じるかもしれないけどさ、一人くらいそういう相手がいるっつぅのも」
クラスメイトのことを持ち出してみると、やっとヨウは本を閉じて此方を向いてくれた。
やはりクールぶっているヨウも中学生だ。クラスメイトのことは気になるらしい。
やった!これでヨウと話が出来ると心の中でガッツポーズをきめたときだった。
「ねぇリウ。」
「ん?」
黒紫色の瞳に俺を写し、聞き取りやすい低音で
「うるさい。」
と言った。
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