2nd:君に届け

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―帰りのバスの中― 何と、2人っきり。 大翔先輩は、音楽を聴きながらこっくりこっくり寝はじめていた。 通路挟んで、隣の席。 いつも、遠くから見ていたのに…。 すぐ、近くにいる。 話しかけたい。 でも、出来ない…。 降りる停留所手前で、ブザーを押す。 ブザーの音で、大翔先輩が慌てて起きた。 バスが、止まる。 私は、はぁ…と溜息をつき立ち上がった。 定期を見せ、 「ありがとうございます。」 運転手に挨拶した。 バスの扉が閉まり、私は歩きだした。
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