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―帰りのバスの中―
何と、2人っきり。
大翔先輩は、音楽を聴きながらこっくりこっくり寝はじめていた。
通路挟んで、隣の席。
いつも、遠くから見ていたのに…。
すぐ、近くにいる。
話しかけたい。
でも、出来ない…。
降りる停留所手前で、ブザーを押す。
ブザーの音で、大翔先輩が慌てて起きた。
バスが、止まる。
私は、はぁ…と溜息をつき立ち上がった。
定期を見せ、
「ありがとうございます。」
運転手に挨拶した。
バスの扉が閉まり、私は歩きだした。
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