いじめっ娘ー告白

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そう悲しみのこもった声で横から話かけてきたのは担任の宮川慎吾。むしろ明るくて元気で真面目だったのはこの先生の方でミヤシンと呼ばれながらキドテツとはまた違う意味で有名で人気者の先生だった。 しかし、クラス全体で一人の女の子を苛めてた事実を知ってショックだったんだろう。キドテツの冷たくも熱い視線とは対称的な空ろな目をして私を見つめていた。 そんな目をしてる先生を見ると申し訳ない気持ちにはなる。 私も他の皆と同じで先生は大好きだったから。 「無理…しなくていいよ。先生。理解もしてくれなくていい。私はもう終わってるんだから。」 せめてもの気持ちでにっこりほほ笑んで返した。 先生は… 涙を浮かべてた。 ごめんね先生 私は悪い。 けど、それも自覚してたの。 悪い事だってわかってて悪い事をしてたの。 だから。処罰だって自業自得だって受け入れる事ができるの。 「私は退学でしょ…?先生。」 宮川先生は俯いたまま答えない。 「だったら…私は…」 「まだ決まってはいない。」 私の声を遮ってキドテツが話す。 「お前は苛めのリーダー格だが、この件はクラス全員で行った事だ。お前を退学にするとクラス全員を退学処分にせざる得ない。そうなると大事だ。学校の体裁も悪い。上の方が今その事で揉めているところだ。だから早急に処罰が下るという事はないだろう。」 「何それ…先伸ばしなんて趣味悪…誰特よ。」 「何より…苛められた兎野自身がお前の退学なんて望んでない。」 「はぁ!?」 呆れて声が裏返った。兎野さくらが退学を望んでない !? 「校内集会で暴露までしといて馬鹿じゃないの?やるならとことんやりなさいよ!!何もかも中途半端で腹が立つわ。今更そこで良い子ぶってなんか意味あんの!?それこそ誰得何得よ!!」 怒りに任せてバンっと強く壁を叩いた。キドテツは何も気にする事なく続ける。 「それはお前のやり方だろう。お前は全力で苛め切ったつもりだろうが。兎野はお前に苛め返してやろうなんて気は全くないんだからな。」 「なんで…」 「なんでだろうな…。それこそお前の言う通りの良い子ちゃんだからじゃないのか?」
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