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「ばこん!?」
変な音がしたので恐怖のあまり閉じてた目をあけてみる。目の前にはなにかで頭を殴られて痛がっているキドテツがいた。
「何朝っぱらから襲ってんだよ。馬鹿教師。いくら兄貴でも通報すんぞ。」
殴った相手はキドテツの弟であり、学内一の不良だとか色々噂のある私の後輩、城戸和哉だった。
「あ、ありがと。和哉!!助かった。」
私はキドテツから離れてすぐに和哉の後ろに回り込んだ。
和哉はそんな私をみて溜め息をついた。
「話聞いてたけど…兄貴のいう通り、さくらは探さない方がいい。あいつは危険だ。」
「そぉ?もうだ…」
「大丈夫じゃないから、俺も兄貴も心配してんだ。」
全部言い切る前に和哉に怒られた。 畳み掛けるのが上手い兄弟だと思う。
「有無をいわさないとことかそっくり…」
「なに?」
「なんだ?」
二人して顔もそっくりタイミングも同じ。
二人して睨まれたんじゃ敵わない。
「はーい。わかりました。余計な事はしません。」
片手あげて観念のポーズ。
「ん」
「よし」
納得した様子でキドテツは職員室の方へ戻っていった。
「さて私もいかなくちゃね。」
「そういえばどこで勉強するんだ?さくらのとこクラス閉鎖中だろ。」
そう、実は本日から私を苛めていたクラスの人間全員が停学処分になったため、しばらく私のクラスは閉鎖されることになった。
その教室の代わりは隣りのクラスー
ではなく
「私はしばらく保健室で自習ー。」
「なんで?勉強遅れんじゃん。」
「心のケアとリハビリの為にしばらくは集団生活はお預けだって。遅れて留年したらよろしくね~。」
そう言ってひらひらと手を振って、和哉と離れ、私は保健室へと向かう
ふりをして学校の外にでた。
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