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†
キィィィィィィィ!!
ドンッ!!
†
「…………」
目を開ける。
見えるのは木の天井。
俺の家だ。さらに言えば、俺の部屋だ。
夢を見た。
その夢は音だけだったが……俺の日常を全て粉々にした音だった。
「すぅ……すぅ……」
上半身だけ起き上がらせると、俺の足元で気持ち良さそうに眠っている姉さんが見えた。
「無事で……良かった………」
姉さんの髪をそっと撫でる。
姉さんの顔を見ると眼の辺りが少し湿っていた。
それを見て思った。
―――この状況に持ってきたのは誰の所為だ?
答えは単純明快。
―――俺だ。俺がちゃんと姉さんに着いていけていれば、野犬を直ぐに仕留める技量があれば……
全ては俺の不甲斐無さ。
「何のために……貰ったんだよ……」
布団の中で拳を強く握る。
武術の才能を……努力の才能を……
「……………覚悟を決めろ…俺」
どこかで……否、全てにおいて甘えていたのかもしれない。
この世界は、匪賊に襲われることや戦争に巻き込まれることがあってもおかしくない世界だ。
だから……野犬ですら殺すことを悲しむ自分では駄目なのだ。
これから………人を殺すことも当たり前のようになるかもしれないのに……
だから………
「……ムニャムニャ……みんな……幸せ……に……」
この幸せを護るために誓おう。
――――僕は戦う
あ、昔のくせが……治せたと思ってたのに……
不意に、障子の開く音がした。
「桃香、風邪引くぞー………おっ、桜香。
起きてたのか」
毛布を持った父さんが僕の部屋に入ってきた。
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