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「うん。さっきだけどね」
父さんは姉さんに毛布を掛ける。
そして、僕の隣に座った。
「そうか。痛いところは無いか?」
父さんが心配そうに僕の顔を覗き込む。
「大丈夫。
切り傷があるだけだから。
それで、話しがあるんだけど」
「ん?言ってみろ」
父さんが返事を言って、俺は深呼吸をする。
そして、口を開く。
「俺の武器が欲しい」
その言葉に父さんは目を見開き、黙り込む。
何分か経って父さんは俺の目を真っ直ぐ見て、言う。
「………………駄目だ。
今回のことで何を思ったのかは知らないが、お前だって……「分かってる」」
父さんの言わんとしている事が分かったので言葉を被せた。
それはトップシークレットだ。
「そんなの関係ない。
俺が決めたことなんだ……今回のことで分かった。
このままいけば、俺は何も護れない。自分すら」
こんなちっぽけな手じゃ……
自分の手を見ながら言葉を紡ぐ。
「……護る術が欲しい。
その第一歩が武器を手に入れることだと思ったんだ。
だから、お願いします。俺に武器を下さい」
自分の意思を明確に伝え、頭を下げる。
「………………………はぁ~…何でまたこんなところで俺に似るんだか……」
父さんは長いため息を吐いた後、愚痴を零す。
「お前の意思は分かった……微力ながら協力しよう」
やっと聞きたかった言葉が聞けた。
「……もう…お腹一杯だよ………」
「……ぷっ…」
俺は能天気な姉さんの寝言に笑ってしまう。
父さんは笑いを堪えている。
「はははっ、今日はここまでだ。
良い子はもう寝る時間だしな。
あっ、最後に、欲しい武器の種類は何だ?」
父さんは立ち上がり、障子に手を掛けたところで振り返り言う。
「剣2振り、槍一本、弓一張、出来れば偃月刀も」
今欲しい武器を手当たり次第に言っていく。
父さんが頬を掻き、困った風に言う。
「…わかった………後、済まなかった。
最近、野犬が山に出没しているということを知りながらお前たちに言っていなかった…本当に済まなかった。
武器はなるべく早く揃えよう。
じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
父さんが部屋を出た。ついでに姉さんも持って行って欲しかった。
「すぅ……すぅ………」
気持ち良さそうに寝ている姉さんを眺める。
「はぁ……寝よ」
俺まで眠たくなってきた……
上半身を倒し、枕に顔を埋めて眠りにつく。
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