第一章・始まった物語

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       † 翌朝、まだ太陽が完全に昇りきっていない時間に目が覚める。 足元では姉さんがまだ眠っている。 昨晩何も口にしていないので、凄く腹が減っている。 台所に行くと、母さんが料理を作っていた。 俺は後ろから挨拶をする。 「おはよう」 「あら、おはよう。お腹減ってない?」 料理の手を止めず、後ろを振り返りながら言う。 「減った」 「直ぐ作るから待っててね」 それだけ言うと、手元をちゃんと見て、料理を手早く作っていく。 数分で料理が運ばれてきた。 それを食らいつくようにして食べる。 「モグモグ………ゴホッ!」 「はい。お水」 急いで食べるのは良くないな。        † 「ご馳走様でした」 ちゃんと掌を合わせ食後の挨拶を言う。 食器を重ね、流し台へと運ぶ。 ………することが無くなった。 否、あった。 昨日、決めたのだ。 この幸せを護ると……だから………。 「体力づくりからだっ!」 両手で自分の頬を叩き、気合を入れる。 とりあえずは、走りこみ。 それから、腕立て、腹筋、背筋、握力強化。 ありとあらゆる筋トレをする勢いでしよう。 武器が手に入ったら、武器の練習もしよう。 そして、今まで何もしなかった時間を取り戻そう。 母さんに、走ってくる。とだけ言うと、運動しやすそうな服に着替えて外に出た。
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