第一章・始まった物語

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「もう無茶はしないでよ!」 泣き止んだかと思えば今度は説教に移行された。 俺は地面の上で正座だ。 「はいはい」 「はい、は一回!」 もう、家に入れさせてもらって良いでしょうか? 周りの暖かいような視線が今は辛いです。 すると、玄関から父さんが出てきた。 「桃香、その辺にしないか。 無事だったんだから、それでいいじゃないか。それに怒られるなら俺もだぞ?」 「う~~~~……………分かった……」 父さんナイス! 姉さんは唸りながらも引き下がり、家に入っていく。 そして、父さんが俺のほうを向く。 「桜香、昼から用事は無いよな?」 「無いけど」 「昼飯食べた後、鍛冶屋に行こう」 「分かった!」 武器は直ぐに手に入りそうには無いが、確実に手に入る保障が出来るのだ。 昼飯の時間が待ち遠しく感じた。 自室で筋トレをしながら時間が過ぎるのを待っていた。 勿論、やり過ぎて動けませんでした。みたいにならないよう軽く。 運動したのでそれなりに腹が減っているので昼飯をものの数分で食べ終わる。 「父さん!行こう!」 「少しは落ち着けって……まぁ…無駄か……」 父さんは頭を掻きながら困った風に言った。 どの武器が手に入りそうなのかワクワクして叫びたいくらいだ。 鍛冶屋へ行くため村を歩く。 そしたら様々な人から挨拶をされた。 一回話したか話してないか分からないような人からでも挨拶をされた。 何て暖かい場所なんだと思った。 これが、10年後にはどうなっているのか……… この状況が保てているのか……それとも…… 嫌な考えを振り払うように、大きな声で挨拶をする。 どちらにしろ、俺がこの村にいる限りはさせない。 そのために努力しなければならない。
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