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気付けば人通りも少なくなってきた。
鍛冶をしていると、どうしても大きな音が出る。
そのため、鍛冶屋を開くには人があまり住んでいない場所等に開かれている。
カァン!……カァン!……カァン!
金属特有の高い音が響いて来た。
歩くにつれ音が大きくなっていく。
「着いたぞ」
父さんが立ち止まる。
建物の中には、熱い金属を大きなハンマーで叩いている人が。
カァン!……カァン!……カァン!
父さんが建物の中に入り、大きな声で叫ぶ。
「すみませーん!!」
?「……………………」
カァン!……カァン!……カァン!
反応が無い。ただの……違うな。
父さんはめげずに叫ぶ。
「すみませーん!!!!」
?「……………………」
カァン!……カァン!……カァン!
父さんが建物の中から出てくる。
「帰ろう」
「待てや、こら」
無視されるのがそんなに嫌だったのか、帰ろうとか抜かしやがった。
「いや、本当に辛いぞ?」
「集中しすぎて聞こえてないだけだよ……これは待つべきだと思うよ」
議論の末、大人しく待つことで決定した。
父さんは、中は暑いと言って、外で待っているが、鍛冶に少し興味がある俺は中に入り作業をじっと見ていた。
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