第一章・始まった物語

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       † 何処までも白い空間に、白い衣服を纏い、白い椅子に座る金髪の男が。 その男は自分のことを”神”と呼んでいる。 神と名乗る者は、白いテーブルの上にある水晶を見て、不適に笑っている。 「これで、才能は発揮され、物語が漸く始まる。 さて……どうなるか楽しませてもらうよ」 テーブルの上には水晶以外無かったはずだが、いつの間にか紅茶が置かれている。 それを不思議に思わず、神は手に取り飲み干す。 「…………働いてくれませんか?」 神の隣で、サーベルを構えた緑髪の女性が一人。 部下のはずだが部下とは思えない行動。 「……ゲーセン行って来ます」 神が身動きもせず、その場から消えるた。 「待てッ!!」 神を追って、女性も消えた。 白い空間に置き去りにされた水晶には、少年が槍を振っている姿があった。 数秒経つと、今度は一振りの剣に、次は、二振りの剣を、槍を、弓を、偃月刀を。 さらに時間が経つにつれ、周りの風景も、少年の容姿も変わっていく。 学校のようなところで勉強している場面もあれば、山中で武器を持って素振りや襲い掛かってくる者たちを撃退、または殺している場面も…… そして………
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