序章・終わりは始まり。

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……転生?また……生きれるのか……? 「そうだよ。また生きれるんだ。 その代わり、同じ世界は無理だ」 一瞬にして僕の希望は閉ざされた。 「何故っ!?」 「一度死んだ人間が生きてみてみろ。 何が起きる? 快く迎えてくれるか? 違う。誰も近寄らない。 映画やアニメの世界じゃないんだ。受け入れられる筈が無い」 もしも友達がそうなったら………と考えると神の言葉に肯定するしかなかった。 「…………そうだよな……でも時間を戻せば……」 「神は世界の監視とイレギュラーの対処が仕事。 時間を弄るのは余程のことが無い限り……そうだね…世界が壊れそうになるとか。 そんなことが無い限り時間は弄ったら駄目なんだ」 その場に胡坐をかいて座り込んだ。 僕は……どんな世界に飛ばされるんだよ…… 「今までで多かったのは”マジックワールド”かな? はっきり言って、もう見飽きたから他の世界に送りたい」 「…………………」 目を細め、冷たい視線で神を見る。 「そんな冷たい目で見ないでよ… でさぁ……最近困ったことがあるんだ」 「………………………」 それでも冷たい視線を送りまくる。 それに面倒な話しが始まりそうなので耳を塞ぐ。 「まぁ、聞けって。 日々どこかの世界で新しく世界が作られているんだよ」 耳を塞いでも聞こえる声から興味が引かれる言葉を聞いた。 「世界が作られる……?」 想像も付かない事象に思わず口にした。 「世界が作られるプロセスは、大勢の人のIFが集まり形成される。 並行世界もこうやって作られた。 話を戻すと…結論も過程も始まりも全て決まっている世界が生まれてしまったんだ……生きている人の意思がちゃんとありながらもね……」 面白くないなぁ……と呟きながら神は頭を掻いた。 対照的に僕は面白いな……と思いながら聞いていた。 いつの間にか、耳を塞ぐことも止めていた。
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