第二章・江東の麒麟児

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「あのっ!」 痛みが引いて来た頃、感動の再開を終えた親子が話しかけてきた。 「息子を救っていただきありがとうございます!!」 俺は地面に仰向けに倒れたまま… 「どういたしまして」 笑顔で返事をした。 フードの所為で、見えているか分からないけど。 「何かお礼をさせてください!!」 「マジですか!?」 その言葉に俺は喰らいつく。 痛みは急速に引いていき、さっきまで忘れていた空腹感が込み上げてくる。 俺は立ち上がり言う。 「美味しい飯屋を紹介してください!」        † 「ふぅ~食った食った」 俺は、助けた子どもの親から美味い飯屋を紹介してもらった。 奢ると親は言っていたのだが、金は足りているので丁寧に断った。 そこで、拉麺と餃子を頼んだ。 味は滅茶苦茶美味かった。 陳腐な表現しか出来ないが美味かった。 そして、それらを平らげ水を飲んで休憩をしている。 すると、席は空いているのに態々俺の隣に座る物好きがいた。 「おばちゃーん、お酒ー」 陽気な声と共に昼間っから酒を注文している。 「あ、猪口は二つお願い」 一人で来ているのに、二つも……何故に? 気になるが、じろじろ見るのは失礼なので見ないようにしている。 「ねぇねぇ」 隣のそいつ(♀)はあろうことか俺に話しかけてきた。
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