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「あのっ!」
痛みが引いて来た頃、感動の再開を終えた親子が話しかけてきた。
「息子を救っていただきありがとうございます!!」
俺は地面に仰向けに倒れたまま…
「どういたしまして」
笑顔で返事をした。
フードの所為で、見えているか分からないけど。
「何かお礼をさせてください!!」
「マジですか!?」
その言葉に俺は喰らいつく。
痛みは急速に引いていき、さっきまで忘れていた空腹感が込み上げてくる。
俺は立ち上がり言う。
「美味しい飯屋を紹介してください!」
†
「ふぅ~食った食った」
俺は、助けた子どもの親から美味い飯屋を紹介してもらった。
奢ると親は言っていたのだが、金は足りているので丁寧に断った。
そこで、拉麺と餃子を頼んだ。
味は滅茶苦茶美味かった。
陳腐な表現しか出来ないが美味かった。
そして、それらを平らげ水を飲んで休憩をしている。
すると、席は空いているのに態々俺の隣に座る物好きがいた。
「おばちゃーん、お酒ー」
陽気な声と共に昼間っから酒を注文している。
「あ、猪口は二つお願い」
一人で来ているのに、二つも……何故に?
気になるが、じろじろ見るのは失礼なので見ないようにしている。
「ねぇねぇ」
隣のそいつ(♀)はあろうことか俺に話しかけてきた。
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