第二章・江東の麒麟児

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       † 「…………はい?」 「終わりじゃ。 早く槍を退けてくれんか?」 「あ、はい」 いきなり孫策さんから終了の合図を頂き、言われるがまま槍を退けた。 「さっすが~、私が見込んだだけはあるわ」 「貴方の勘にはいつも驚かされるわ……」 孫策さんの後ろから、周瑜さんまで現れた。 「えー………状況を説明してくれると嬉しいです」 「そうだな。私が説明しよう」 俺の言葉に反応してくれたのは周瑜さん。 孫策さんは俺を襲った人と喋っていた。 「雪蓮……伯符がお前を将にしたい…と言い出してな、当然私は反対したんだが聞かなくて……条件を出したんだ」 「それが……さっきの?」 「ああ、そういうことだ。 お前を襲った奴は、公蓋<コウガイ>と言う将で、黄蓋殿に勝ったら考えてやる……と言ったら、本当に実行してしまって今に至るというわけだ」 つまり、俺は無理矢理テストを受けたわけだ…… 周瑜さんがため息を吐いて、口を開いた。 「確かに人員不足だが……約束したことは仕様が無い…か…。 劉凰よ、我が軍の将となってくれんか?」 旅人から将へとジョブチェンジ出来るチャンス!! ………とか、言ってみるけど裏とか無いよね? 聞いてみよう。 「裏とか……無いですよね?」 「私には無い。伯符は知らん」 「ですよねー」 ふむ……どうしようか。 ………と言っても路銀も無限にあるわけでもないので何時かは補充しなければならない。 それが早まったと思えば良いか…… 「期限付きならいいですよ」 「やったーーー!」 左側面から喜びの声が聞こえた。 勿論、孫策さんのだ。 黄蓋さんもどこか嬉しそうだ。 「助かる……。 劉凰、お前に私の真名を預ける。私は”冥琳<メイリン>”という。 よろしく頼む」 「よろしく冥琳さん」 周……冥琳さんと握手をした。 すると、また左から…… 「私は雪蓮よ。さん、はいらないから」 「よろしく、雪蓮」 よろしくー!と元気に返事をした雪蓮。 「さっきは攻撃してすまんかった。 儂は黄蓋、字は公覆<コウフク>。真名は”祭<サイ>”という」 「よろしく、祭さん。 俺は、劉凰、字は宵花。 真名は桜香」 「よろしく頼むぞ。桜香」 これで一通り自己紹介が終わった。 てか、将……ってどんな仕事するんだ?
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