第三章・呉

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豪華な(旅の途中より)食事を食べながら、これから主に何をすればいいのか冥琳に聞いた。 それで、することは呉の内情についての理解と兵の調練の仕方を覚えること。 調練は祭さんに教えてもらうとして、内情は……… 手と口を動かしながら考えていると不意に後ろの扉が開いた。 「遅れてすみませ~ん。 ……あれ?どなたですか?」 妙に間延びしていて眠たくなるような声を発する人が食事の間に入ってきた。 「漸く来たか、穏<ノン>」 冥琳が穏と呼んだ。 その人は、髪は薄緑で肩に掛かる程度の長さで、後ろの方で二つに分かれている。 小さな眼鏡を掛けている。 ………この世界には普通という文字は無いのだろうか……でけぇ………ゴホン……声からも分かるように穏やかな雰囲気を持つ女性だ。 「はい、それで……どなたですか?」 尋ねられたので答えるために穏という人の方をちゃんと向いて答える。 「今日からここの将……客将として働く、劉凰、字は宵花だ」 「私は陸遜<リクソン>、字は伯言<ハクゲン>です。 よろしくお願いしますね。劉凰さん」 互いの自己紹介が済んだところで陸遜が食事の席に着く。 すると、冥琳が話し始めた。 「そうだな……真名交換は後でするといい。 穏、劉凰はこの呉のことについて余り知らない。 お前が教えてくれるか?」 「お任せくださ~い」 「ということだ、桜香。 分からないことがあれば穏に聞くが良い」 「分かりました。 陸遜、俺の真名は桜香だ。 よろしく頼む。」 これから色々教えてもらうであろう人だから真名を言った。 ……劉凰って呼ばれるの余り好きじゃないんだよな…堅苦しくて…… 「私は穏と言います。 改めてよろしくお願いしますね、桜香さん」 会って数分で真名交換なんて普通は有り得ないのだが悪くないな。 朝食は殆ど仕事について話しながら終わった。 少し変だなと思ったことは祭さんと雪蓮が終始無言だったことだ。 「じゃあ、今日も仕事頑張りましょう!」 「今日”も”か………」 俺は雪蓮の言葉にボソッと呟いた。 雪蓮は腕を振り上げたまま固まっている。 「細かいことを気にしてたら禿げるわよー……」 「そうだぞ、桜香よ! 細かいことなど気にしてはならぬ!」 何故か祭さんまでもが同意した。 ………もしやこの人も仕事サボってる…?
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