第三章・呉

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雪蓮と祭さんがぶーぶーと何か不満を垂れ流しているが冥琳は涼しい顔をして無視している。 「えー……まず俺は何をしたらいいんだ?」 「祭殿と共に練兵場へ行き、兵の調練を行って欲しい その後は、城内でも街でも散歩していると良い」 「え?いいの?」 「ああ、その代わり街で事件が起きた場合は対処してもらうぞ?」 「御意」 意外にも冥琳が街の見回りを許可してくれた。 予想では最初からクライマックス並の仕事をさせられるのかと……… 「………何かよからぬことを考えてはいないか?」 「全然、そんなことはないよ。 じゃあ、祭さん。 怒られる前に行きましょうね」 俺と冥琳が話している最中でさえブーイングをしていた祭さんの腕を引っ張った。 「こら!離さんか!」 どうせ手を離しても面倒なことには変わりないので引っ張ったまま広間を出た。        † 桜香と祭殿がこの玉座の間から出て行った。 「ほら、雪蓮も行きなさい」 「は~い」 今にも弱音を吐きそうな態度で雪蓮も出て行った。 「穏、始めるぞ」 「分かりました~」 今日も片付けなければならない書類が山ほどある。 今日は特に早く終わらせなければな。        † 「これ!はよう離さんか!」 「あ、ごめんごめん」 広間を出ても手を引っ張ったままだった。 「これだから若者は……年寄りを大事にせい」 「そんな年寄りでも無いでしょ」 見た目的には20後半……くらいですよ?どこが年寄り?        † 城を出て少し歩くと練兵場に着いた。 まさに練兵場!ってとこだな。 学校のグラウンドくらいに何も無いただ広い場所だ。 その場所に兵がうじゃうじゃいる。 「整列!!」 祭さんがその兵の集団に向かって大声を出した。 その瞬間、兵たちは素早く行動を始め、縦横綺麗に整列した。
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