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俺と雪蓮は苦笑い。
良いのか悪いのか分からなくなった。
祭さんはまだ酒を飲んでいた。
何杯目だよ……
そんな祭さんを横目で見ながら闇夜を回収する。
「ねぇ、今度本気で戦ってみない?」
「却下」
「ぶーぶー」
こんな戦闘狂と戦ってたら体が保たなくなる。
「で、本当は何しに来たんだ?」
「あ、そうそう。
冥琳がね、城に帰る途中、倉があるからそこで兵法書を取ってきてくれ…だって」
「了解。それで、雪蓮は何で攻撃してきたのかな?」
「実力を測りたかったのよ」
雪蓮はにっこりと笑って見せた。
「……本当は?」
「暴れたかった」
笑顔のままで答えた。
素直でよろしいこと……
†
「並べい!!」
急に祭さんから号令が掛かった。
「じゃね」
そう短く言って、雪蓮は走り去っていった。
遅くなりすぎると冥琳に怒られる所為だろう。
俺も祭さんに怒られるわけにもいかないので、駆け足で祭さんの隣へ向かった。
「お主ら、だらしないぞ!
宵花一人に負けるとは!!
それでも呉の兵か!!」
何と並び終わると説教が始まった。
祭さんの頬は少し赤くなっている。
「調練を始めるぞ!!
不甲斐無いところを見せてくれるなよ!!」
「「「「応っ!」」」」
「全員、回れ右!!駆け足進めい!!」
ダッダッダッダッダッダ!!!
地響きのような音を立てながら人の波が移動する。
「停止!!弓、構え!!」
祭さんの言葉で、全員がピタッと止まり、一斉に弓を構えた。
「おぉ~~~」
「後退!!」
ダッダッダッダッダッダ!!
「構え!!」
ザッ!!
「回れ右!前進!!」
ザッ!ダッダッダッダッダ!!
一人も乱れることなく祭さんの言葉に従っていた。
移動と構えの訓練を何回も繰り返した。
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