第三章・呉

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張令を見つけて四十分後くらい… 「いねぇな………」 今までなら直ぐ全員を見つけれたのだが今回は中々見つからない。 それだけ、成長してるということだ。(張令を除く) 「アイツだけ何故成長して無いのか…………………」 アイツだけ特別メニューにしてやろうかな……… 「隙ありぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「はい、ご苦労様でしたっと」 真後ろから斬りかかって来た馬鹿が一人。 槍の石突きで振り向きもせず足を払った。 「ぷぎゃぁ!!」 変な声で倒れたのを確認して、振り向きざまに頭を石突きで叩いた。 「ぼぎゃぁ!!」 「学習しろ馬鹿が、さっきの喜びを返しやがれ」 土の上で頭を抑えて悶えている馬鹿は”周艦<シュウカン>”。 特徴的なのが、頭のスキンヘッドだ。何故今の時代に出来たのかは知らない。 長身(憎たらしい)に筋肉質の脳筋だ。 闘う事と酒しか頭に無い。 「くぅ……また負けてしまった……」 「誰がお前なんかに負けてやるか、お前はもう論外だから奢りな」 「なっ!!隊長!!今月金欠なんだよ!!」 「酒の飲みすぎだ。これを機に少し控えろ。 この道を真っ直ぐ進んだところに……ちょ……張令がいるから一緒に素振りでもしてろ。 いいか?素振りだぞ?」 「…へい……」 トボトボと俺が指差した方向へと歩いて行った。 「……張令…生きててくれよ……昼飯のために」 多分、周艦に斬りつけられるであろう張令に冥福を祈って周艦とは逆の方向へ歩き始めた。 残り時間……四十分。
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