プロローグ

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「もう・・・・・遅いなぁ・・・・・」 とブツブツと文句を垂れながら、あっちへ行ったりこっちへ来たりを繰り返していた。 すると、前方からヴィトンのバッグを腕にぶら下げ、見慣れたピンクのダッフルコートを羽織った児島美沙子が、クリーム色のミニスカートを揺らして走って来るのが見えた。 この大事な日によく遅れてこられるな、と達也は呆れながら美沙子を迎えた。 「おせ~よ」 文句を言うと、美沙子は息を切らしながら笑ってごまかした。 「ごめんごめん。待った?」 「当たり前だろ。今日のデートは美沙子が計画立てたんだぜ」 ちょっと頬を膨らませると、美沙子にほっぺたを突っつかれた。 「まあいいじゃん。早速遊園地行こうよ。」 達也は「あぁ」と言って頷いた。
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