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夜はいっそう更けはじめ、ちらほらと電気が消えていく
電気が次第に消えていくことで徐々に美しさを増すものがあった。
─────今日は満月だ────
人の日常生活で当たり前すぎて忘れられている。
この綺麗な月を知ってるのは彼だけかもしれない。
彼の名前は田辺一茂
１８歳。高校３年生だった。
──────だった──────
｢昨日までは俺も人として生きてたのにな～(笑)。｣
死んだのに笑顔になれる俺ってなんなんだろう。
成仏してないからこの世にまだいるんだよな…
成仏しないと……ねっ…
そう考えていると夜の静寂は悲惨なことに破られた。
｢きゃぁぁぁあぁぁぁあぁあ!!｣
月の方向を見上げると女の子が落下してきている。
しかも、俺に…
───────直撃コースで
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