"彼"と私

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「気持ちぃ…」 小さな魚が水に逆らって泳いでいる。 小さいのに必死で、 思わず目をとらわれる。 一生懸命泳ぐ様子に いつしか時がすぎていく昼下がり。 真っ赤な紅葉が なんだか暑い。 連日の雨は まったく後を残さずに、 太陽に後を託して消えていった。 あったかい陽気になんだか心もあたたかくなって、 眠くなってきた。 カクンと首を下に曲げて 睡眠体勢。 しばらくすると 日が落ちてきて 気温も下がってきた。 「バカ…。」 ジャリっと石がこすれあう音と共にきこえた、 自分とは違う深くて低い声に 目をさます。 「足、水につっこんで寝るやつがいるか?」
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