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「お前も」
ゆっくりとその場にしゃがみながら少年は遂に口を開く。
「俺と、一緒だな」
ポツリポツリと言葉を発する少年は、ただ虚ろな瞳を子猫に向け再度口を開いた。
「哀しいか? 寂しいか? 苦しいか?」
子猫は、少年の言葉をじっと聞きながら、言っている意味が分からないとばかりに首を傾げる。そんな子猫に、少年は一度瞬きをする。
「お前の人生はもう決まってるよ」
「俺が、一番よく知ってる」
パーカーの腹の部分のポケットに入れていた手を子猫に近付ける。
「でも」
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