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「…あ…。」 彼女の手は、強く何かを握っていた。 開いてみると十字架、それと血塗られたペンダント。 ペンダントと言ってもタグ式のものだ。 この二つがあれば、見れる。 すぐさま拝借して、ペンダントトップについた血液を拭き取り、自分のうなじの方に持っていき、十字架と合わせ鏡にした。 よく見えない。 一文字づつ、ゆっくりと読んでいく。 「『K-729 Rachel 14』……?」 レイチェル? これが僕の名前なのか? 自分のことなのに。 記憶がない。 その後の数字『14』は年齢を表しているのだろう。  
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