変化の兆し

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頼む、追って来るな! と思う前に彼らは俺目掛けて走り出していた。 ちょっとは迷えよ。 恐喝なんてバレたらいくら不良高校でも停学とかくらうんだろ!もう馴れたってか! 「くそっ……」 残念ながら脚力に自信無し。 部活やってないんだから当たり前だ。ていうか髪黒くしないと入部させないとか言われたから入らなかった。 違う。 今そんなこと考えてる場合じゃない! 家まで追って来られるわけにはいかないし、上手く撒かないといけない。 というわけで、俺はコンビニの駐車場を出て一旦家とは逆の方に向かった。 学校に逆戻りだ。 ふざけんなめんどくさい。こんなとこ学校の誰かに見られたらまた変な噂立つだろ! 「っ……きっつ……!」 200mくらい全力疾走したところで俺の体力は早くもヤバくなってきた。 「待てゴルァアァ!」 誰が待つか地獄に堕ちろ! 後ろを走っている不良さん共との距離はあまり開いていない。もしかしたら追い付かれるかも。 ヤバい。 非常にヤバい。 タイマン(笑)ならともかく、3対1なら勝てるわけない。スマブラなら余裕であんな奴らボコボコだけど。 と、そんな事考えながら走り続けていた矢先。 手に持っているリポピダンDが目に入った。 …………そういや、あの変態の胸筋凄かったな。首も結構太かった。 「ぜぇ……何考えてんだ……!」 あんな奴当てにならん。 大体マンホールにはまってんだ。出られるわけもない。いや、不良共は珍しがってあいつにターゲットを……駄目だ。 そんな事できるか。 「あー……っ!くそ!」 俺は不良共との距離を確認すると、あの変態がいるマンホールに行くため曲がり角を曲がった。 ここからならすぐに着くはずだ。 「……ん、おお。そんなに息を切らしてまで走って買ってきてくれたのか。嬉しいぜ」 案の定奴はまだいた。 俺は少しだけ立ち止まり、奴の前にリポピダンDを置くとまた走り出した。 「おい!?仙利、どこ行く?」 「うっせぇ!追われてんだ!」
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