変化の兆し

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人生なんて死ぬまでの悪足掻きだって、誰かが言ってた。何かの本……漫画だったかもしれない。 でもそういう考えも、人によってはアリなんだろうと思う。 足掻く事ができるならまだ人生に希望も持てるだろうし、何かを成し遂げたいとか、人生を楽しく過ごしたいとか思ってるから足掻くんだろう。 じゃあ、足掻く事すら忘れた人間はどうなるんだろうか? 死ぬ?自殺する? あながち間違っちゃいないかも。まぁ、極端な答えになってしまうけど。 例えば自殺じゃなくても、希望を見つけようと一種の賭けに出たり、何か変化の兆しがないかと探したり。 でも足掻く気力も希望も無くせば、自殺っていう結末に至ってしまうのも仕方ない事かもしれない。 希望が無いってのは、意外ときつい事だろうし。 じゃあ……足掻く気力も希望も無いくせに、自殺する勇気も無い奴はどうなるんだろうか? まぁその“奴”っていうのは俺になってくるんだけど。 でも俺は自殺なんて考えた事は無い。自殺したら負けだと思ってる。 足掻く気力も希望も無いけど……“今だけだ”って決め付けてる。 単調。 今の俺に一番合う言葉を探したら、こういう言葉が当て嵌まるんだろうな。 毎日同じような事の繰り返しで、自分でも呆れるくらいに暇な日々が続いてた。 そのくせに何かを変えようと足掻きもしないし、希望を見つけようともしない。 いわば駄目人間ってやつだ。 そのくせ変なプライドがあるから、自分を責められるとそれを否定してしまう。 ……自分で言ってて恥ずかしくなってくるから、この辺で止めておきたい。 けど……俺は幸せなのかもしれない。 自分で足掻きも希望を探しもしてないのに変化の兆しが見えてきたんだから。 高校二年になって少しのある日。 俺は、アイツに出会った。
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