まほーつかいが現れた!

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「…………」 「…………」 「あ、とりあえずお茶でも飲みます?」 「うむ、貰おうかのう」 ずずーっ。 「うむ、うまい」 「そりゃどうも」 「…………」 「…………」 「えっと……何しにここへ?」 「うむ、王都へ向かう途中にの、山賊に襲われたのじゃ。偉大なる『だいまほーつかい』であるこのセシル=トーマスの手にかかれば、滅ぼすのもわけなかったのじゃがな。我は心が広いゆえ、大人しく退いてやろうと思うたのじゃ」 「うん、山賊とか魔法とか、何だか看過しちゃならない気がする重要そうな単語は置いておこう。それで?」 「空間跳躍魔法であるテレポートを使ったはいいが、座標を少しばかり間違えたみたいでの。気付いたら、主の上で寝ておったわ」 「あぁ、そう。うん、大体分かった。多分。じゃ、その偉大なるだいまほーつかいさん。とっとと帰りやがってくだせぇませ」 「むぅ、怒るでない。それに、我も帰ろうにも帰れないのじゃ。テレポートで魔力が枯渇したようでの、術が発動せん」 「はぁ、僕にはまったく関係ないから……それじゃ、強く生きてください。黄色い救急車が迎えに来てくれますので」 「な、なんじゃいその呆れたような目は。そち、先ほどから声色に棘が無いかのう?」 「せっかくの休日、気持ちよく寝ていたところに、腹に乗られて強制的に覚醒させられ、あまつさえ訳の分からない狂言を喚かれれば、誰でも言葉に棘くらい忍ばせるでしょうが」 「なんじゃ、心が狭いのう」 「出てけ」 「ぬう、いたいけな少女を、見知らぬ土地に放り出すとは……」 「少女っていうか幼女……」 「天誅!!『うぉーたぁぼぅる』!」 ドガッ。 「あだぁ!?いや、おかしいでしょ!何なの今の音!?水が出す音じゃないでしょうよ!」 「だいまほーつかいじゃからな」 「それだよ!何今の!?どっから出した!?質量保存の法則はどこ行ったあぁぁ!?」 「じゃから、まほーだというに」 「…………」
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