第一章

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銀色に黒いメッシュが入った、一番美形な男の子が隣に座り、口を開いた。 「白銀 叉輝兎だ。」 「叉輝兎は照れ屋だから」 クスクスと笑いながら、椿くんが言った。 『どうも…。』 そして私の後ろに、ガタンッと大きな音をたて、茶髪で金色のメッシュを入れた子が座った。 「唯斗はね、女の子嫌いなの。」 と椛くんが教えてくれた。 『ふぅーん。』 私はくるっとふりかえり、 笑顔をつくり 『十愛よ。よろしく』 と言った。 唯斗と呼ばれる子は 「神崎 唯斗-YUITO-」 とだけ言って席を立った。 … 「気にすんな」 隣から聞こえてきたが、私は 何も言わずにまた外を見た。 (自己紹介って笑顔を作らなきゃいけないからめんどうだ…) そう思った。
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