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ついてるなと、佐藤麻樹は浮足だっていた。
後期の委員会決めで、念願の図書委員になれた。
前期はじゃんけんで負けて環境委員になってしまった為に、大好きな図書室に通う時間が放課後のわずかな間だけだったが、今期は違う。
週に二回の当番の日は、中休みと昼休み、それに放課後はずっと図書室にいられるのだ。麻樹にとって、これ以上嬉しいことはない。
「佐藤君、本気で嬉しそうね…」
「はい!」
若干呆れたような苦笑でため息をついたのは、先輩の図書委員であり一学期中麻樹の愚痴を聞いていた西田直子だ。
そんな、すっかり顔馴染みの先輩に、麻樹は満面の笑顔で即答した。
「だって、僕ずっと図書委員になりたかったんですから!」
「うん。それは1学期にさんざっぱら聞かされたから知ってるし。まあ…そのテンションがずっと持ってくれるといいんだけど…」
「?どうゆう意味ですか?」
苦い笑顔で呟く西田に、麻樹は怪訝そうな面持ちで尋ねる。
西田は、苦い笑顔のまま貸出カウンターに腰かけた。
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