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世界を変えるという終着点だけを持った集まりか。これは思っていた以上に厄介な奴等だ。手段を選ばないことは分かっていたが、それが組織だっていないとなると、個人が好き勝手に暴れまわっていることと何ら変わりない。それも正体は公に知られていなく、おそらく知らされることもないだろう。
こういう、知らされるべきではないと判断された存在は秘密裏に消されていくのだろうと、アリカの話から予想できる。
水面下でこんなことが起こっていようとは誰が想像するだろうか。
「我々がいかに危うい存在かご理解頂けましたか?」
そしてアリカは期待するような笑みを浮かべた。どうして俺を引き入れたのか、本当の理由はここにあるのだろう。
「なるほど。そういう訳か」
「ちょっと! 勝手に納得してないで説明しなさいよ!」
蚊帳の外に放り出されまいとルナサが噛みついてきた。こいつの性格からして、こういった役目は嫌うかもしれないがやらざるを得ないだろう。現状では正体不明の小僧よりも、世間から認知されている人間の方が遥かに有用だ。
「まぁ……その、だな」
「はっきり言いなさいよ!」
「有象無象を取りまとめる旗印になれってことだ、御大層な十二賢者の名前を使ってな」
嬉しそうにアリカは頷いた。
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