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「うわ……」
特に暑くもない昼下がり、惰眠を貪った俺はびっしょりかいた汗が気持ち悪くて目が覚めた。
心落ち着く我が家に帰ってきてからというものの、毎夜男女の修羅場を夢に見る。目を覚ます頃には殆ど覚えてはいないが、それでも寝覚めが悪い。
それさえ無ければ……。
帰省してからのんびりとした毎日。適度に勉強し、家事の手伝いや、友人と出かけたり。
親父や母さんは、俺が学院で頼れる奴が出来た事を喜んでくれた。コネクションが出来たとかそういうのではなく、ただ純粋に息子の幸運を。
その頼れるロアだが、休みに入ってからは度々手紙を寄越してくれる。さすがに上級貴族の頂点だけあって忙殺されているみたいだが、その中で日常をつづった書面に癒される俺。
そして……。
俺はベッドから首だけを動かして部屋の隅を見る。そこには丁寧に包装された人並サイズの荷物があった。
差出人がまさかのルナサからで、開けたら爆発するんじゃないかと怖くて開けられないでいた。
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