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「目に、なんですか? 私の目はどうなったんですか?」
沈黙に耐えかねた私の声はひどく震えて掠れていた。
「飛び散った破片が眼球とその周辺を傷つけました。手術ですべて取り除きましたが、おそらく、跡が残ると思います。視力も、包帯を取ってみないとわかりませんが、おそらく、目は見えないでしょう」
医者の声は無機質で事務的だった。
「傷跡が残るの……?」
美しさを誇っていた、私の顔に?
「えぇ、多分」
医者の声はどこまでも無感動だ。
それが私をひどく傷つけた。
まるで見た目に、美しさにこだわる私を笑っているようで。
笑いたければ、笑えばいいと言えた美貌は、私には、もう、ないのだ。
「しかし奇跡ですよ。もしあと少しあなたが前にいたら、照明が直撃していたんですから。死んでいたかもしれません」
慰めているつもりの言葉は神経を逆撫でた。
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