第二章

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しかし、ふと横にとまっている車のサイドミラーを見ると、右腕が跡かたもない小学生程の少女の姿が写っていた。 あたりは暗く、彼女の顔までははっきりと見えなかったが、口元は明らかに笑っているように見えた。 「お前は何なんだ!」 俺はとっさにそう彼女へ聞いた。 するとその少女は歩み寄るのをやめ 「オトケイサン、ハヤクカエシテ…カエシテ…」 お時計さんを返して? 「悪いが、俺は持ってない!」 「ジャアタベルモノチョウダイ…、オナカスイタ…、スイタ…」 そんなにおなかをすかせていたのか…、まあそれは当然だ、かなりの日数監禁され、食べ物を食べていなかっただろうから。
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