第一章

6/18
前へ
/79ページ
次へ
それから、晃の遺体は燃やされ、灰となり墓の中へ入っていった。そして、しばらく経過したある日。 「竜也…」 俺がコンビニでいつものようにバイトしていると、俊也がやってきた。 今日、元々メールで会う約束をしていたのである。 「っで俊也、なにかわかったのか?」 俺は彼の顔を見る瞬間、そう聞いた。 すると、すこし戸惑いながらも1枚のウェブページを印刷した紙を見せてくれた。 「なになに…、止まった時間?都市伝説?」 拍子抜けだ。 何を持ってきたかと思えば、都市伝説のサイトの文かよ…。 俺はそういうの全然信じないから、なんも説得力を感じなかった。 「でもな、この部分はホントらしいんだ…」 そう言って、彼は用紙の一部分を指差した。 「えっと…、9月の10日にある少女が誘拐され、監禁された。当時その子の家は貧乏で、身代金が払えず、9月30日彼女はあるアパートの一室で餓死した。その誘拐された際にお気に入りだった時計をなくしたから、それを探して色んな人の時計を奪っては殺してるだって?ばかばかしい…」 こんなのどうせ、どっかの作者が作ったバカげた伝説にきまってる。普通に考えてあり得るわけないだろ…、そんなこと… 「まぁ、そう思うのも当然だな…、でも、行ってみないか?この子が監禁されたっていうアパートに…」 仕方ない、他になんの手掛かりもないことだし、俺はそのアイデアにのることにした。 みんなにもメールで伝えたら、全員が来るという返事を送ってきた。今週の土曜日にさっそくそのアパートのある町に向かう事に決定した。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加