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俺達は、せっかくの手掛かりを失いまた途方に暮れていた。
すると、美紀が何かを思いついたように言いだした。
「あっじゃあさ、その子のお墓に行かない?
来る途中で見えたお寺にとりあえず行ってみようよ?
駄目元で…」
他に何も思いつかない、俺達はとりあえずここから一番近いお寺へと足を運んだ。
「ここです…」
ビンゴ!その少女はここに眠っていたようで、お坊さんに場所を案内してもらった。
来るだけというのもバチあたりなので、お花を供えた。
その時
「誰?」
後ろから女性の声が聞こえてきた。
俺達は急いで振り向くと、白いワンピースを着たスラッとした女性が立っていた。
「美佳にまつわる都市伝説…、知ってますよ…」
彼女は、美佳ちゃんの姉のようだ。
俺達が、事情を話すと彼女は少し考え込んだ。
「時計…」
しばらすると、彼女はぼんやりとそうつぶやいた。
「時計がどうしたの?」
俺がきくと、彼女は少し頭を整理してから
「実は、美佳…、誘拐される直前、お母さんとお父さんに青い色をしたきれいな時計を買ってもらったんです…。当時は家、とても貧乏で時計なんて買う余裕なんてなかったのに、いつも苦労をかけているからって、私と美佳の二人にそれぞれプレゼントをしてくれたの、私にはこれ…」
そう言って彼女は自分の右腕を見せてきた。
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