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そこでは、綺麗な緑色をした時計が時を刻んでいた。
「ふーん、でもそれがなんか関係してるのかな?」
美紀が不思議そうに首をかしげた。
すると、また彼女はゆっくりと話し出した。
「美佳…、発見されたとき、右腕を失っていたんです…」
え?俺達の背筋に寒気がはしった。
「警察の調べによると、いつになっても金が払われずイラついていた犯人は自分たちが本気だと言うとこを見せたくて、美佳の右腕を切断したみたいなんです…。
そしてそれをうちに送ろうと…。
でも暴れる美佳の行動のせいで部屋から落ちちゃったみたいなんです…。
それから誰がどう探しても見つからず。
もしかしたら、美佳はその腕についていた時計を見つけたいのかな?って…」
俺のこわばる顔には冷たい汗が流れる。
そんなことって…。
いやあるはずないだろ、普通に考えて、でも、もしそれが本当なら…、その時計を見つけてあげればいいのか?でも誰も見つけられなかったんだよな?見つかるのか?いや、無理だろ…
それから、しばらく話し、また何か情報があったら教えてもらえるように電話番号とメアドを教えあった。
「それでは、今日は美佳にお花を供えてくださってありがとうございました…」
彼女は別れ際そういうと、早歩きで帰って行った。俺達も、一刻も早くここから立ち去りたい気持にかられ、さっさとお寺から抜け出した。
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