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ガラッと勢い良くドアを開けると再び目眩がした。
ギラギラと私を照りつける、真夏の太陽に。
コンクリートから発せられる、何とも言えない生温い熱に。
夢の中では真冬だったけど、今は真逆の夏真っ最中だ。
本日二回目の溜め息をついて、私は行き交う人々の波に紛れた。
あの“夜逃げ”から半年経つのに時々あの時の夢を見る。
我ながら物凄い事をしたな…とは思うけど、後悔なんてしてない。
私が“夜逃げ”した理由は…とても一言では言えない。
色んなことが積み重なった故の行動だった。
私には『霊力』がある。
霊力は、この世のモノではない物を感じる力。
本に載っているような、怖い顔をした妖怪があちらこちらに見えるという訳ではない。
そんな力を持っているから、小さい頃から色々あった。
学校では当然のようにいじめにあったし、近所からも敬遠されていた。
辛いことばっかりだったけど、その中で私は一つの夢を見つけた。
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