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孝信「喧嘩の自信が無ぇとかお前らしくねぇな…」
剣の前であぐらをかいている孝信が鼻で笑った。
ここは臨心会。剣は孝信にアドバイスを貰いに来ていた。
剣「うるせぇな。ホントに自信無いんだからしょうがねぇだろ」
仏頂面の剣が孝信を睨んで言った。
孝信「なんつーかな、多分、お前は自信が無いっつーより、『白髪鬼』との喧嘩が無意味だと感じてんじゃね?」
孝信の言葉に剣は固まった。
剣「んなわけねーだろ…。あいつを倒すのが夢を叶える最大の関門……」
孝信「そうじゃねぇ」
孝信が剣を制止した。
孝信「俺が言いたいのは、今のお前がって事だ。深層心理では、焦っても結果は着いてこないって考えてんだろ」
お前は頭いいからな、と孝信は付け加えた。
剣「でもよ、もう、返信しちまった…」
孝信「そんなら、やるしかねぇさ。負けは見えてるけどな」
ヘラヘラ笑う孝信。
剣「…………」
孝信「ただ、一つ言っておきたい事がある」
いきなり孝信が真面目な表情になった。
剣「あ……?」
孝信「『白髪鬼』が相手って事は、障害を受ける覚悟で挑まなきゃならねぇ。俺の友達の息子は、車イス生活になった」
孝信の真剣な表情に影が射した。
剣「それって……」
孝信「お前は長谷中の奴らと仲いいからな。もう、知ってるかもしれん。お前の予想は正しいだろう。
とにかく、『白髪鬼』はとんでもねぇ実力も障害罪を恐れない度胸も持ってる。お前が経験してきた喧嘩が遊びに見える。あいつに命乞いは効かない。相手が中学生だろうが関係ない。剣、お前はしゃしゃり出てくんな。俺が話をつけてやるから」
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