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孝信の言っている事が正しいのは分かっていた。しかし、剣にとっては、煩わしい物に感じられた。
剣「孝信の助けはありがてぇけど、やっぱこれは俺の喧嘩だから、あんま介入しないでほしいんだ。マジでやばい時は頼む」
剣が去った後、孝信は誰もいない道場で日本酒を飲んでいた。
孝信「さっきの言葉……裕平、お前を思い出したよ……。やっぱ、お前の息子だな……」
孝信は嬉しそうな表情をして、酒を注いだ。
正喜「なぁ、キャンギャルって脚きれいだよな」
ヒゲユキ「全く同感だ。っつーか、脚きれいじゃねぇキャンギャルは俺が認めねぇ」
正喜「さすがはヒゲユキ。剣も以下同文だろ?」
剣「お前らバカだろ」
三人は街でひとしきり遊んだ後、意味もなくだらだら歩いていた。
ヒゲユキ「剣、ホントに大丈夫か?『白髪鬼』はマジでヤバいぞ」
ヒゲユキが心配そうな顔で剣を見た。
剣「大丈夫だって。正喜もいるし孝信もいざというときに助けてくれるし。それに、負ける気はさらさら無ぇよ」
正喜「どの口が言ってんだよ。一発でも入ったら、俺すぐに孝信呼ぶからな」
剣「いやいや。早いっつーの。せめて三発くらいにしとけよ」
ヒゲユキ「剣、やっぱお前分かってねーわ。『白髪鬼』の一発はヘビー級だぜ?一発で終わりだよ。つまり、お前はノーダメで勝たなきゃいけねぇんだ」
剣「………」
大きな不安を胸に残したまま、『白髪鬼』との対決の日がやって来た。
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