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『白髪鬼』が右腕を動かした。右ストレートを出すつもりだ。
剣(やられっかよ!)
剣は横に大きく飛び込んだ。
白髪鬼「!」
剣の動きに『白髪鬼』が驚いた。ストレートは虚しく空を切った。
剣(危なかった…。三発目で決めるって言われなかったら、多分マジでやられてた……)
剣は少し痛むが、ぼんやりと見えてきた目で『白髪鬼』を見た。
白髪鬼「………。まだまだ楽しめそーやな」
そう言って、『白髪鬼』は笑った。
その笑いはさっきの「余裕の笑み」とは違い、「喧嘩を楽しむ笑み」に変わっていた。
白髪鬼「打ってこいや…ほらっ」
『白髪鬼』が挑発した。
剣「………」
険しい表情をした剣は、じりじりと『白髪鬼』との間合いを詰めた。
白髪鬼「そーや…俺だけ攻めるなんておもろくないやろ…」
剣(初手は…どうする…?どんな攻撃でも止められる気がする…。いや!弱気になんな!いけ!!!)
意を決した剣は、『白髪鬼』に襲いかかった。
白髪鬼「来いやぁ!!」
ヒュンッ!!!!
剣が繰り出したのは、何千回と打った右ストレート。素早く最短距離で相手を攻撃できる。
白髪鬼「!!」
『白髪鬼』は上体を後に反らして避けた。
剣「おぉ!!」
剣は続けて右ローキックを放った。
バシッ!!
白髪鬼「………」
『白髪鬼』は全く防御をしようとせず、キックを受けた。
剣(固い……。太い木を蹴ったみてぇだ……)
しかし、剣は怯む事なく攻める。
ドゥッ!!!
わき腹への右フック!
これは、『白髪鬼』の左手のガードに当たった。
白髪鬼(………こいつのストレート……)
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